ヨガと食Vol.4「ウィルスに負けない身体を作るヨギーの食事~免疫力向上レシピのご紹介~」

こんにちは。
インストラクター兼管理栄養士 Rinkoです。
暦の上では秋ですが、まだまだ暑い日が続いていますね。体調はいかがでしょうか。
私がヨガを指導しているzen place yogaスタジオでは、暑い中でも連日汗を流して練習をされている会員様が多くいらっしゃいます。みなさん、とても良い笑顔。
みなさんの笑顔に、日々パワーをいただいております。

ヨガと食Vol.4「ウィルスに負けない身体を作るヨギーの食事~免疫力向上レシピのご紹介~」

さて、連載は4回目。
今回は「免疫と食」についてのお話。忙しい方やお料理が苦手な方に向け、簡単に作れる作り置きレシピと共にお伝えいたしますね。
新型コロナウィルス感染が広がっています。世界中の誰一人として免疫を持っていないため、誰でも感染すると言われています。
健康維持のためには栄養バランスの取れた食事をとり、適度な運動と十分な睡眠(休養)をとり、免疫力を高めることが効果的ですが、この免疫力の免疫と、新型コロナウィルスに対する免疫は同じ免疫ではありません。自助努力にて免疫力をあげても、絶対に新型コロナウィルスにかからない免疫を得ることはできないのです。

1.「免疫」について

1.「免疫」について

では、どうしたらいいのでしょうか?
まず「免疫」についてお話しします。 「免疫」とは、漢字が表しているように「疫を免れる」、すなわち「同じ病原体による病気に2度とかからない」ことです。学問的には「自分の身体の中に入ってきた自分以外のものを取り除く仕組み」であり、免疫があることで、私たちの身体に入ってきたウィルスや細菌が排除され、感染症が治る仕組みです。
私たち人間の免疫は大きく2つに分けられます。
一つ目は原始的な動物に存在している「自然免疫」。初めて出会った抗源(免疫反応を引き起こす原因になる成分)にすぐ反応できるため、侵入した異物に素早く反応します。そして二つ目は、先ほどもお話しした「同じ病原体による病気に2度とかからない」ために機能する、「獲得免疫」。抗源を記憶するという特徴があります。
異物に対し素早く反応する自然免疫からの情報提供により、強力な獲得免疫が働いて病気が治り、獲得免疫が異物を記憶する働きにより、同じ病気にかからない「免疫」が成立する、という仕組みになっています。

1.「免疫」について

新型コロナウィルスが流行する前から、「免疫」はテレビの健康番組や雑誌の健康特集で注目されている言葉です。その中でも、自然免疫のひとつ「である「NK細胞」が特に注目を浴びています。
「NK細胞(ナチュラルキラー)」とはその名の通り、生まれながらにしての殺し屋細胞で、初めて出会ったウィルス感染細胞やがん細胞を殺傷します。一般的に、免疫力の評価をするときは、この「NK細胞」活性の値を用いることが多いようです。NK活性は20代にピークを迎え、その後加齢とともに減弱します。
加齢以外にもさまざまなことがNK活性に影響することが分かっています。生活習慣、運動、ストレス、季節変動、日内変動、自律神経…そして食。免疫細胞には栄養素のすべてが必要とされており、バランスの取れた十分な食をとることが、免疫力の基本です。また、食品に含まれるいろいろな成分がNK活性に影響を及ぼします。

NK活性に影響を与えると報告されている食品成分
有効成分 多く含む食品
プロバイオティクス ヨーグルト、納豆などの発酵食品
多糖類 きのこ類
ポリフェノール 豆類、たまねぎ、緑茶、ぶどう、ウコン
カロテノイド エビ、カニ、緑黄色野菜
ビタミン 緑黄色野菜、レバー、魚、果物、ナッツ類
ミネラル 牡蠣、レバー、牛肉

きのこ類は古くから世界中で健康に良い食品とされ、多くのきのこの抽出液等が民間療法として使用されており、きのこに含まれるβグルカンがNK活性を上げることがわかっています。ヨーグルトや納豆などの発酵食品も古くから健康に良いとされてきました。また、乳酸菌が直接的にNK活性を増強することもわかってきています。

2.レシピ紹介

今回ご紹介するレシピは作り置きができ、簡単、シンプルでありながら、上記の食材を使用した「免疫力向上」レシピです!多めに作ってアレンジもOK。是非、お試しください♪

きのこと根菜のトマト煮

きのこと根菜のトマト煮

材料
きのこ(お好みで♪今回はエリンギとしめじを使用)150g、ごぼう1/2本、人参1/2本、里芋 4個、ベーコン3枚、ホールトマト400g、塩小さじ1、オリーブオイル大さじ3

作り方
① 里芋は皮をむいて一口大に、ごぼうは洗って皮付きのまま一口大の乱切り、人参は皮をむいて乱切りにする。きのこは一口大に手でちぎるり、ベーコンは1cm細切りに。ホールトマトをボールに開けて手で軽くつぶしておく。
② 鍋にオリーブオイルを入れ、中火にかけ、温まったらベーコン、根菜の順で炒める。
③ 油がなじんだら、つぶしたホールトマトを加え蓋をして煮る。(15分)
④ 塩で味をととのえる。

免疫力アップといわれるきのこ類を使用した、食物繊維たっぷり(整腸効果も!)旨味たっぷりのシンプルなトマト煮です。冷蔵庫にて5日保存可能。

きのこと根菜のトマト煮

そのままでも美味しいですが、チーズをのせてオーブンで焼いたり、カレー粉を加えてきのこと根菜トマトカレーにして食べるのもオススメ♪サフランライスと自家製オクラの塩こうじ漬けのコントラストが食欲をそそります!

やたら漬け

やたら漬け

材料
茄子 1本、オクラ 1袋(8本)、えのき1/2袋、みょうが2個、野菜の古漬け 100g(またはたくわん、奈良漬け)、大葉 4枚、ごま 小さじ1、塩 小さじ1/2

作り方
① なすはへたを落として5㎜角に切り、5分ほど水にさらしたのち、塩をふっておいておく。
② オクラとえのきは軽く茹で、5㎜角に切る。古漬け(今回はきゅうりの糠漬けを使用)を5㎜角、みょうがはみじん切り、大葉は千切りにする。
③ なすの水けを切り、野菜、古漬け、ごまを混ぜる。

北信州に伝わる郷土料理。夏野菜をやたらと切って入れるため、「やたら」と名付けれられたとのこと。さっぱりといただけます。冷蔵庫で2~3日保存可能です。

やたら漬け

納豆や生卵、豆腐とも相性がよく、野菜とたんぱく質 両方をすぐにチャージできるお手軽レシピ。私はそうめんの上に卵と少量のお醤油をたらしていただきました。

鯖缶と大豆の炊き込みご飯

鯖缶と大豆の炊き込みご飯

材料
さば缶 1缶(約150g)、蒸し大豆60g、塩昆布30g、米1合、醤油 大さじ2、酒 大さじ2

作り方
① 米を洗い浸水させておく(約30分)
② 水を切った米に醤油、酒を加え、規定の水分を炊飯器の目盛りまで入れる
③ さば缶、蒸し大豆、塩昆布をいれて、炊飯する

保存のきく鯖缶と蒸し大豆をつかった、失敗知らず、包丁要らずの簡単炊き込みご飯です。味の決め手は塩昆布!普段摂りにくいと言われている魚類、豆類、海藻類が含まれ、栄養価の高いレシピです。冷凍をすれば1週間は保存可能です!

鯖缶と大豆の炊き込みご飯

ご紹介したレシピ1食の献立として作ってみました!どれも簡単なので、是非、お試しくださいね。

今回は「免疫」という少し難しい話から入りましたが、ストレスの少ない生活習慣とバランスの良い食事が、免疫全体の機能を正常化すると言われており、これは科学的にも証明されつつあります。
ヨガの瞑想効果で自律神経を整えストレスをコントロールし、しっかりと身体を動かすことで十分な睡眠をとれば、おのずと生活習慣も整います。今回ご紹介した時短レシピで効率よく栄養を体に取り入れ、しっかりと健康を維持しましょう。
健康であれば自然に笑顔もこぼれます!笑うと免疫力が上がると言われています。(笑うことで腹筋を使い、ストレス発散との相乗効果で免疫力が上がるとか!)
「免疫」は、多角的に見ていくものではありますが、食事は生活において占める割合が大きいため、食事を変えるだけでも大きな効果を発揮します。
新型コロナウィルス対策の「自衛」の一環として皆さまの参考になれば幸いです。
次回が最終回のコラムとなります。食とマインドフルネスについてお話しさせていただく予定です。お楽しみに♪