ヨガの基本で大切な考え方とは?


ヨガの基本は独自の哲学をもった身体技法であるという考え方です


まずヨガを始める前提として、単なるエクササイズやダイエット、運動ではないことを念頭に置いておきましょう。本来、ヨガは肉体と精神の鍛練を目的とした身体技法です。

ヨガの基本で大切となるのは、呼吸・姿勢・瞑想に重点をおくことだと考えられています。古代インドで発祥したヨガには独自の哲学があり、八支則と呼ばれる教えがあります。

ヨガは、呼吸・姿勢・瞑想に重点を置いた身体技法です

ヨガはエクササイズの一つとして人気を集めています。エクササイズ(exercise)というのは、日本語で「運動」を意味しており、健康増進やダイエット、肉体の強化などの目的におこなわれる運動の総称のことです。

ストレッチやエアロビクス、ウォーキングなどがエクササイズの一例として挙げられますが、ヨガはそれらの運動とは違った性質をもちます。ヨガを始めるにあたって大切な基本となるのが、ヨガの本来の目的を理解することです。

ヨガの発祥と歴史

ヨガの発祥は古代インドで、今から3000年以上も前に始められたと考えられています。紀元前200年頃に記された最古の経典「ヨガ・スートラ」では、ヨガは心の動きをコントロールすることで苦しみから解放されることが目的とされているのです。

13世紀に突入してから誕生した「ハタ・ヨガ」と呼ばれるヨガは、現在日本で多く実践されているものです。ハ(ha)は太陽や息を吸うことを、タ(tha)は月や息を吐くことを意味しています。

ハタ・ヨガは、姿勢(アーサナ)と呼吸(プラーナーヤーマ)、そして瞑想(ディアーナ)で構成されています。世界中にはヨガの流派が数億存在していますが、ハタ・ヨガはそれらの基本と言ってよいでしょう。

ヨガの哲学

ヨガは肉体を強化し精神の鍛練をおこなうための身体技法です。したがって単なるエクササイズとは異なります。

姿勢と呼吸、瞑想と三つの要素が一つでも欠けていれば、本来のヨガとは言い難いものになってしまいます。ヨガを実践する上で意識しなければならないのは、ヨガ独自の哲学です。

ヨガの語源はサンスクリット語の「コジュ」とされています。コジュは牛馬をくびきで車につなぐという意味の動詞です。

すなわちヨガは肉体と精神、魂を宇宙に結びつけるという意味をもっているのです。ヨガをおこなうことは、人間としての在り方を考えるきっかけになるでしょう。

八支則はヨガの教えの基本です


ヨガの基本となる教えが、八支則(アシュタンガ)と呼ばれる8つの段階です。「ヨガ・スートラ」に記されており、パタンジャリという聖者によって説かれました。

ここでは、ヨガの八支則を解説していきます。

ヤーマ(禁戒)

日常生活においておこなってはいけないことの心得です。

・アヒムサー(非暴力)
苦痛を引き起こさないことが語源となっており、暴力や殺しをおこなってはいけないというものです。

・サティヤ(正直)
自己の利益のために嘘をつかず、誠実でいることを説いています。

・アスティヤ(不盗)
他人の物を盗んではいけないという意味です。物には品物やお金だけではなく、時間や権利、地位なども含まれます。

・ブラフマチャリヤ(禁欲)
エネルギーをムダ遣いせず、必要なところに集中させるべきという教えです。

・アパリグラハ(不貪)
貪欲にならず、独占欲を抑えることを説いています。

ニヤーマ(勧戒)

日常生活においての奨めです。

・シャウチャ(清浄)
自身の心身を常にきれいな状態に保つことです。デトックスや断捨離の意味も含まれます。

・サントーシャ(満足)
自身の能力や環境、周囲の人に感謝をし、常に満足することを意味します。

・タパス(自制)
精神の鍛錬のために、あえて困難なことを実行することです。さまざまな苦しみや試練に立ち向かえるような強さを身に付けるための教えとなります。

・スヴァディアーヤ(読誦)
心を整え、よい方向に導いてくれる書物を読むことで人間として成長していくことです。

・イシュワラ・プラニダーナ(信仰)
神への信仰を持って祈りを捧げることや、自然や時代の変化を受け入れることを指しています。

アーサナ(座法)

瞑想を深めるために重要とされている、ポーズのことです。安定性や快適性のある姿勢を取ることが理想とされています。

プラーナヤーマ(呼吸)

瞑想を深めるために重要とされている、呼吸法のことです。プラーナは生命のエネルギーを意味しています。

プラティヤハーラ(感覚のコントロール)

自身の外に向けられた五感を内に向けることで感覚を制御することを説いています。

ダーラナ(集中)

自身の意識を一つの事物に集中させることで、大きなパワーを生むと考えられています。

ディアナ(瞑想)

意識が自然と一方向に集中し、無心になることです。プラティヤハーラとダーラナが深められることで落ち着いた精神状態が実現できます。

サマーディ(三昧)

ディアナの状態が長時間続いた悟りの境地です。ヨガの最終段階であり、すべての煩悩や雑念から解き放たれた状態です。

ヨガには肉体的・精神的にさまざまな効果が期待できます

ヨガはエクササイズではなく身体技法と説明しましたが、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。

身体の柔軟性が増す

ヨガでは深い呼吸をおこないながらさまざまなポーズをとります。これにより筋肉や関節の柔軟性および可動域が増すと考えられるのです。

身体が硬いことは、肉離れ・捻挫・骨折など怪我の原因とされています。しなやかな身体になれば、日常生活の動作が軽やかになることが期待できます。

たとえば脚部の筋肉や関節に柔軟性があれば、歩くときにしっかりと足を上げることができるでしょう。万が一躓いてしまったときでも、転倒を防止することができ、怪我をしなくて済む場合もあります。

それだけでなく、スポーツにおいて本来の実力を発揮できるようになるのです。

歪みや姿勢が改善する

腹筋や筋トレなどで鍛えられるのは身体の表面側にあるアウターマッスルだと考えられています。一方ヨガで鍛えられるのは身体の深いところにあるインナーマッスル(深層筋)です。

インナーマッスルを鍛えることにはさまざまなメリットがあります。身体の基盤となる骨格を支える働きをもっているため、歪みや姿勢改善に繋がるのです。

身体の歪みは、肩こり・頭痛・腰痛・冷え性・むくみなどの症状を引き起こします。そのためヨガには慢性の不調を改善する効果が期待できるでしょう。

筋肉が増えることで基礎代謝が上がり、脂肪のつきにくい体質に変化する可能性もあります。

自律神経が整う

忙しい現代人は、常に交感神経が高められた状態にあるといっても過言ではありません。ヨガの深い呼吸には副交感神経を優位にする働きがあるとされています。

高ぶった気持ちが抑えられ、心身をリラックスした状態に導いてくれるのです。その結果として自律神経が整い、不眠やうつ、イライラなどの症状が和らげられます。

副交感神経が優位になると胃腸の働きも活発になります。したがってヨガは便秘や消化不良、胃もたれなどの予防にも役立つのです。

ヨガの基本を学ぶにはいくつかの選択肢があります


ヨガを実践したいと思ったら、まずはヨガの基本を学ぶところから始めなければなりません。その際の選択肢にはいくつか挙げられるため、ご自身に合った方法でおこなうのが望ましいでしょう。

インストラクターに教わる

ヨガの基本を学ぶのであれば、やはりプロのインストラクターから直に教わるのが早いといえます。ヨガスタジオに通うことで、初心者でも基礎からしっかりと勉強することができるのです。

熟練度に応じた適切なポーズを段階的に学んでいけるため、怪我のリスクも少ないでしょう。また書籍や映像だけでは習得が難しい呼吸法も身に付きやすいです。

ヨガと心理の関係性についての論文では、ヨガのレッスンに通うことで対人不安が軽減したという報告もあります。ヨガスタジオで学ぶことは、新たな人間関係を形成できるメリットもあるのです。

自宅にて独学で学ぶ

ヨガをインターネット動画サイトやDVDなどを見て学ぶ方法もあります。自宅で好きな時間に自分のペースでおこなえるのがメリットといえるでしょう。

しかしながらヨガの実践にはある程度のスペースを必要とします。ヨガマットを敷く、ヨガにふさわしいウェアを用意するなどの準備をしてから始めましょう。

ヨガの基本を学ぶ方法には、インストラクターに教わる方法と独学で勉強する方法があります。ヨガスタジオに通うことにはメリットが多く、正しい知識を身に付けることが可能です。

(まとめ)ヨガの基本で大切な考え方とは?

1.ヨガの基本は独自の哲学をもった身体技法であるという考え方です

ヨガはエクササイズやダイエットではなく、肉体と精神の鍛練を目的とした身体技法であるという考え方のもとおこないます。古代インドで発祥したヨガには独自の哲学や八支則と呼ばれる教えがあり、呼吸・姿勢・瞑想に重点が置かれているのです。

2.ヨガは呼吸と姿勢と瞑想に重点を置いた身体技法です

ヨガは心身の強化をおこなうための身体技法で、単なるエクササイズではありません。現在実践されているハタ・ヨガにおいても、姿勢・呼吸・瞑想という3つの要素が基本と考えられています。

ヨガを実践するときは、哲学や本来の目的を意識することが大切です。

3.八支則はヨガの教えの基本です

パタンジャリが「ヨガ・スートラ」に記した八支則はヨガの基本的な教えです。禁戒を意味するヤーマにはじまり、非暴力のアヒムサー、正直のサティヤなど8段階に分けられます。

ヨガの最終段階と考えられているのが、三昧を意味するサマーディです。

4.ヨガには肉体的・精神的にさまざまな効果が期待できます

ヨガには筋肉や関節の柔軟性を高める効果が期待できます。身体がしなやかさを取り戻すことで、怪我の予防や軽やかな動作が可能になるでしょう。

また歪みや姿勢を改善したり、自律神経のバランスを整えたりなどの効果が期待できます。

5.ヨガの基本を学ぶにはいくつかの選択肢があります

ヨガの基本を学ぶ方法にはインストラクターに教わる方法と、独学の二種類があります。呼吸法は書籍や映像では習得が難しいため、初心者の方はスタジオに通うことが望ましいでしょう。

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